私たちの想い
持続可能な能登を実現する
自然の恵みをわかち合い、お金や時間労力を融通し合い、暮らしを支え合う――。
三方を海に囲まれ、昔ながらの農山漁村の風景が広がる能登では、すこし前の日本では当たり前だったコミュニティ文化が今も受け継がれています。
人と自然が調和した「能登の里山里海」の暮らしは、世界農業遺産に認定され国際的に評価されていますが、その一方で地域の過疎化は深刻な状況にあり、脈々と紡いできた里山里海の暮らしの存続が危ぶまれています。担い手が減少していく大きな流れは避けられなくても、里山里海を未来へとつないでいくために、いま新しい「挑戦」が必要とされています。
TANOMOSHIは、そうした能登ならではのコミュニティ文化・風土に光を当て、人と人のつながりを軸として地域経済を循環させていくことを目指します。
日本の原風景が残る能登、課題先進地である能登だからこそ、全国各地のまちの先頭に立ち、持続可能な未来への道を拓いていける。
私たちはそう信じています。
創設者の想い
代表取締役 森山奈美
「自社の発展は、地域の発展である。」この地域を支えてきた先輩方から教えられた、地域づくりの根底に流れている哲学です。事業を通じて地域課題を解決し、さらに事業を通じて得られた利益は地域に還元される。SDGsやCSV(Creating Shared Value=共有価値)という言葉が登場するずっと前から、ローカルで事業を営む経営者たちは連綿と自社の事業を革新し続けることによって、この地域を守り、独自の文化を育んできたのです。ローカルビジネスラボ「TANOMOSHI」は、地域の持続可能性に責任を負う私たちが、この時代を乗り切り未来につなげていくために、お互いの事業を磨き合い切磋琢磨していく場です。文字通り、最先端の課題先進地で生み出され育まれたビジネスは、きっと世界に通用するモデルとなっているはずです。小さなまちから生まれた商品やしくみが、世界に向かって発信され、一人ひとりが世界観を持って、自分らしい生き方を実現している。それが、小さな世界都市の姿です。TANOMOSHIという地域の連帯の中から良い事業を生み出し、その利益が地域に還元されて、次のチャレンジを誘発する。そんな、チャレンジの循環と開かれた生態系を日本中に広げていきたい。日本全体の30年先の未来をいく能登半島発の挑戦です。
理事長 田代克弘
石川県奥能登は世界農業遺産に認定された風土文化が今なお息づき、地域資源は良質豊富でありながら、日本のおよそ30年先の社会的課題(人口減少・高齢化)に直面している、地域持続性の課題に真正面から向き合っている地域の一つです。
経済循環から見ても域外からの消費は、観光都市金沢に迫る消費を呼び込んでおり、地域資源のポテンシャルの高さを自負しつつも、一方で域内の生産性は低く、一次産業の付加価値化、域内産業の生産性改善が急務と考えられます。すなわち地域の持続性は生産性・付加価値を支える地域事業者の事業継続が必要であり、そのためには地域に根差した事業が継続する仕組みが必要と考えます。
私たちは従来の金融仲介機能だけでは地域の衰退傾向を変えることは出来ない、硬直化した環境から抜け出しブレイクスルーを促すスキームの構築が急務であるとし、TANOMOSHIの設立へと至りました。株式会社御祓川との連携の下、持続可能な地域づくりに取り組む人財を育成し、新たな付加価値を生み出し、人口減少経済下での住み続けられる「まちづくり」の共創を進めます。