プログラム1期 活動報告(2021年1〜12月)

第1期メンバー

TANOMOSHIについて

全国の地方のなかでも人口減少・高齢化が顕著な石川県奥能登地域では、昔ながらの事業者の高齢化による廃業や、進学・就職を機とする若手人口の流出が止まらず、地元経済に及ぼす影響は深刻となっています。そんななか、奥能登地域の小規模・零細事業者を主な顧客とする興能信用金庫と、隣接する七尾市のまちづくり会社「株式会社御祓川」では、奥能登の魅力的な事業者を継続させるべく、事業者同士が成長や挑戦を促進しあいながら、持続的な経営を目指す、支え合いと学び合いを核としたコミュニティをつくれないかと「能登ローカルビジネスラボ『TANOMOSHI』」を創設しました。
まだ始まって間もない取り組みですが、将来的には、奥能登地域での新しい事業の誕生や地域への流入者・関係人口の増加、 生活文化やコミュニティの継承、地元の里山里海の保全といった社会的インパクトの創出を目指しています。

プログラム1期(2021年1〜12月に実施)について

TANOMOSHI1期は、2021年1〜12月の期間に計12回の定例会を開催。コロナ禍のため全回を通じてオンラインzoomにて実施。コロナ感染状況が落ち着いた6月、12月は、現地とオンラインのハイブリッドにて開催しました。

毎月の定例会として、以下の内容を実施しました。

1/21 オンラインキックオフ、TANOMOSHIのロジックモデルの作成
2/18 オンライン事業計画ブラッシュアップ(ザ・アグラリアンテーブル、森本石油)
3/25 オンライン事業計画ブラッシュアップ(百笑の暮らし、数馬酒造)
4/15 オンライン/リアル事業計画ブラッシュアップ(御祓川)、12月までの目標設定
5/20 オンラインゲスト講演(熊野古道おわせ支配人 伊東将志さん)
6/17 オンラインバーチャル取締役会(4社)
7/15 オンライン半期振り返り、後半の目標設定
8/19 オンライン経営相談(百笑の暮らし)、2期メンバーの構想
9/16 オンラインプロジェクト共有(森本石油)、事業構想の壁打ち(ザ・アグラリアンテーブル:足袋抜)、2期メンバーの声がけ状況の共有
10/21 オンライン第2期候補の定例会体験(発表)
11/18 オンライン事業承継計画の共有(ザ・アグラリアンテーブル:山口)
12/18 オンライン/リアル最終報告会

1期メンバー

選定基準(全体)

プログラムの第1期メンバーは下記を基準として選定いたしました。

  • 奥能登地域で、地元に根ざした事業を行っている実績があること。
  • 地域資源を活用している・地域に雇用を生む・地域に新たな人材を呼び込むなどを通じて、その事業(事業者)が成長することが、地域へのインパクトに貢献するような事業者。

【珠洲市】ザ・アグラリアンテーブル合同会社/業務執行社員:足袋抜豪、代表社員 社長:山口侑香

企業概要能登半島の最先端の地で市の指定管理として体験宿泊型施設「木ノ浦ビレッジ」を運営。地元住民から首都圏からのワーケーション利用者まで、多様な種類の人が集まる。
選定時の期待多様な人が集う場所を生かして、奥能登における情報や事業のネタが始まるリビングラボとしての機能を担っていくことを期待。
テーマ親族以外への事業承継・コロナ禍(観光自粛)での売上創出・地域のリビングラボの仕組み作り
成果事業承継の早期実行、中途人材採用(御祓川運営の域外インターン制度「能登留学」卒業生)

【輪島市】株式会社百笑の暮らし/代表取締役:山本亮

企業概要里山里海風景に魅せられた代表が東京から移住して事業を開始。輪島地域伝統の茅葺屋根の建物を中心に、地元住民が作る昔ながらの料理や暮らし体験を提供する「里山まるごとホテル」を運営。
選定時の期待地域の内 (地元住民・地域の食資源) と外 (顧客) を繋ぐモデルケースとなり、新たな地域の雇用や関係人口が創出されていくこと期待
テーマ組織づくり、チームづくり・コロナ禍(観光自粛)での売上創出
成果飲食事業の利益率改善、中途採用人材を中心とするチーム作り、新入社員伴走、中期財務計画策定、経営者向けコーチングの受講

【能登町】数馬酒造株式会社/代表取締役:數馬嘉一郎

企業概要150年続く地域の老舗酒蔵。地域の耕作放棄地を活用した米作りや、酒造りの道具には地元素材を使うなど、能登産にこだわったものづくりを展開している。醸造を通じて里山の暮らしを守り、豊かな暮らしを次世代に繋げるSDGs経営を実践。20代半ばで経営を引き継いだ実績をもつ。
選定時の期待老舗の地域のリーディングカンパニーとしての、新しい形の地域への関わり方を提示していくことを期待。
テーマコロナ禍(酒類提供自粛)での売上創出・社内起業=経営者育成サービス
成果新規事業立ち上げ検証、採用前インターン受入サポート(オンライン)

【穴水町】株式会社森本石油/代表取締役:森本敬一

企業概要100年近く続く地域密着型ガソリンスタンドで昔ながらのフルサービスを提供。また、ガソリンスタンドという立地を生かし、スタンドに集まる地元住民のネットワークや一次産品情報を活用し、地元で眠っている未活用資源を用いた地域特産品の開発を行う有限会社クリエイトも運営。
選定時の期待脱ガソリン・人口減少という逆境に置かれている地域ガソリンスタンドの生き残り戦略を、「地域商社」事業で提示すること期待。
テーマ地域商社は売上の柱になるか?
成果地域外からの専門人材・学生インターンのマッチング・導入、商談会での自社商品の成約、販売管理のデータ化、SNS運用方法の習得

1期プログラムを通じて創出された、地域へのインパクト(影響)

各事業者へのインパクト

  • 各事業者の自社内でのマッシュアップ(既存のサービス、技術等を融合させ新たなサービス等を生み出すこと)だけでなく、提案書を書き合ったり、互いの商品を自社チャネルで販売するなどの自発的な支え合いが生まれました。これは、奥能登地域の中間支援機能になりうる兆しです。各事業者が抱える課題への挑戦が、そこに集うメンバー全員で地域の未来を一緒につくる機会にもなっています。
支え合いの図

※各事業者の中でのインパクトは、上記の記事をご参照ください。

地元金融機関:興能信用金庫

  • 1期では、職員4名が御祓川とともに地域の事業者の本業支援を行う中で、顧客の本業支援にトライしてきました。経営的な数値だけでなく、事業者の想いに共感し、事業者とともにその事業の未来を見据える経験をしたことで、金融業を越えて地域を支える自負心を改めて持つ職員も出てきました。
  • TANOMOSHI開始時期と並行して興能信用金庫が進めていた地元事業者への外部人材マッチング事業の立ち上げにおいて、TANOMOSHIにおける信金職員の地元事業者への伴走経験や、御祓川がもつ外部人材マッチングサービス(ふるさと兼業)がうまく繋がり、御祓川との地域パートナー契約に結びつきました。

中間支援団体:御祓川

  • 上述の通り、事業者および興能信用金庫において、TANOMOSHIを通じて地域に対する新たな関わり・インパクトが生じたことからわかるように、奥能登における中間支援機能が発現する環境・仕組みづくりに貢献しました。
  • TANOMOSHIを通じて奥能登の個別プロジェクトに御祓川が関わり、その情報を御祓川の日々の活動の中で外部へ発信することで、都市部企業の人材研修の場所として奥能登の地元事業者や木ノ浦ビレッジと連携したいという依頼がくるなど、地域外の人材・企業と奥能登との関わりしろを広げるきっかけをつくることができました。